硫化対策

概要

自動車の排気ガス、温泉地、鉱山など空気中に硫黄成分が含まれる環境では硫黄が金属と反応することにより、メモリモジュールが正しく動作できなくなることがあります。トランセンドの硫化対策モジュールはこのような不具合を低減させるために硫化耐性のあるチップ抵抗器を使用しています。

硫化メカニズム

空気中に含まれる硫黄成分が金属表面に吸着すると化学反応を起こし、硫化物を発生させます。

硫化水素がチップ抵抗器の保護層とメッキ層の隙間に入り込むと化学反応が始まり、硫化銀が生成されます。これにより内部電極が腐食して断線したり、チップ抵抗器が正しく動作できなくなります。図1は抵抗器の硫化現象を示しています。

硫化対策の方法

硫化耐性のあるチップ抵抗器を使用することで硫化物の発生を抑制します。チップ抵抗器の硫化対策はベンダーによって様々ですが、一般的には2つの方法に分類されます。

1つは図2で示すように電極に金や合金など硫化耐性のある材料を使用する方法です。効果は高いですが、コストが高くなり、使用する材料によって電気抵抗も変化します。

もう1つは図3のように耐硫化層で電極を隔離する方法です。これにより硫化水素と銀の化学反応を防ぐことが可能です。この方法は硫化対策としてよく用いられています。

空気中の硫黄成分は汚染レベルが高いと増加するため、そのような環境での動作が必要なシステムには硫化対策が求められます。トランセンドの硫化対策モジュールは、ISA-S71.04-2013のレベルG2を満たしているので、硫化対策が求められるインダストリー4.0、IoT、IoVの分野に最適です。

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