SSDのストレージ容量の増加に伴い、より高いパフォーマンスが求められるようになっています。パフォーマンスに優れたSSDは、より多くの電力を消費し、より多くの熱が発生します。冷却をしないと、SSDの温度は動作条件を超えてしまい、ハードウェアの故障やデータエラーの発生を高めることになります。
高温耐性のあるSSDを作り出す以外に、過熱問題を効果的に解決する方法としてダイナミック・サーマルスロットリングを利用した適切な熱管理が挙げられます。温度センサをドライブに実装することで、S.M.A.R.T.コマンドを利用して温度を監視します。閾値を超えると、サーマルスロッタが自動的に作動してドライブの動作スピードを低下させます。ドライブがパフォーマンスを抑制して自己冷却を行うことで、SSDの信頼性向上と製品寿命の延伸を実現しています。
ダイナミック・サーマルスロットリングには幾つかの段階が設定されています。例えばPCIe M.2 SSD MTE352Tの場合、S.M.A.R.T.の温度が85°Cに達すると、保護機能をアクティブにします(レベル1)。95°Cまで上昇すると、ドライブの速度を大幅に低下させます(レベル2)。100°Cを超えると、オーバーヒートやドライブのシャットダウンを防ぐためにさらに減速させます(レベル3)。
ダイナミック・サーマルスロットリングを搭載することで、SSDを安全な温度範囲内で制御し、デバイスの安定動作と発熱によるトラブル低減を可能にします。